2026.09.18
健康経営、まずは「できること」から 新潟健康経営セミナー2026を開催
2026年9月14日、「新潟健康経営セミナー2026」が新潟ウェルネスで開催され、オンラインでも同時配信されました。
一般社団法人新潟県労働衛生医学協会と株式会社アイセックが主催し、新潟日報社協力のもと、経済産業省や新潟県、健康経営に取り組む企業などが登壇。健康経営をめぐる最新動向や県内の支援制度、女性の健康、企業の具体的な実践事例まで、幅広いテーマが紹介されました。

「何から始めればいいのか」に応えるセミナー

冒頭、株式会社アイセックの木村代表は、健康経営という言葉や認定制度が広がる一方で、「興味はあるけれど、何から始めればいいのかわからない」「認定を取得した後、次に何をすればいいのかわからない」と悩む企業も少なくないと説明しました。
特に中小企業では、人事や総務の担当者がさまざまな業務を兼任していたり、産業保健の専門職が社内にいなかったりと、大企業と同じ方法では進めにくいケースがあります。
今回のセミナーでは、行政、産業保健機関、企業、大学、金融機関、地域メディア、民間事業者など、新潟県内にあるさまざまな力をつなぎ、企業が健康経営の最初の一歩を踏み出し、その後も継続できる仕組みづくりを目指しました。木村代表は、参加者に「これなら自社でもできそう」と思えるものを一つでも持ち帰り、実践につなげてほしいと呼びかけました。
健康経営を「経営戦略」として考える

基調講演では、経済産業省 商務・サービスグループヘルスケア産業課の川裾淳子氏から「健康経営のトレンドと展望」をテーマに、健康経営を取り巻く最新の政策動向や認定制度、企業が健康経営に取り組む意義などが紹介されました。
川裾氏は、健康経営について、従業員の健康保持・増進に向けた取り組みを「投資」と捉え、経営戦略として実践していく考え方であると説明。従業員の健康やヘルスリテラシーの向上にとどまらず、人材確保や生産性、企業価値の向上にもつながる取り組みとして、その重要性を強調しました。

続いて、新潟県福祉保健部健康づくり支援課の品田優一氏から、県独自の「新潟健康経営推進企業」登録制度や、健康経営に取り組む企業への支援策が紹介されました。
県内では50人未満の事業者が登録企業の7割以上を占めるなど、中小企業を中心に取り組みが広がっていることを紹介。登録後の取り組みをさらに後押しする「新潟健康経営推進企業マスター」制度や表彰、企業の取り組みを振り返り、充実につなげるための支援についても説明しました。


企業の実践事例から見えた「続けるための工夫」


企業による事例発表では、それぞれが自社の課題に合わせて健康経営を実践している様子が紹介されました。
北陸保全工業株式会社では、熱中症対策として、スマートバンドによる体調の可視化、空調服やペルチェベストの導入、休憩用冷房車の配備、アイススラリーの活用などを実施しています。従来、毎年発生していた熱中症事故がゼロになるなど、具体的な成果にもつながりました。
株式会社ブルボンでは、健康経営を担当部署だけの取り組みにしないため、役員一人ひとりが自身の健康に関する目標を宣言し、半年後に結果を発表する取り組みを実施しました。健康経営を社内に浸透させるためには、経営層を巻き込むことの重要性も紹介されました。
東京電力ホールディングスでは、従業員への健康情報を「1分間で読める」内容にまとめ、デザインや発信方法も統一しています。情報を発信する側の都合ではなく、受け取る従業員の立場に立ち、「読みたくなる」「内容が伝わる」工夫を続けていることが紹介されました。
各社の事例からは、大きな施策を一気に始めるのではなく、自社の課題を把握し、実行できることから始め、効果を振り返りながら改善していくことの大切さが見えてきました。


健康経営は、小さな一歩から

最後のパネルディスカッションでは、経営層をどのように巻き込むか、健康情報を従業員にどう届けるか、担当者だけで抱え込まずに取り組みを継続するにはどうすればよいかなど、実践する中で生まれるリアルな課題について意見が交わされました。
閉会にあたり、新潟県労働衛生医学協会の藤口専務理事は、健康経営は単に従業員の健康づくりを行うものではなく、働きやすい職場づくりを通じて、人材の定着や組織の活性化、企業の持続的な成長にもつながる取り組みであると説明しました。
また、「最初から大きな取り組みを始める必要はなく、まずは自社の現状を知り、できることから一つずつ始め、振り返りながら少しずつ改善していくことが大切」と呼びかけました。

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今回のセミナーは、健康経営について学ぶだけでなく、企業が実践への一歩を踏み出すための入り口でもあります。今後は簡易アセスメントや重点支援企業への個別伴走支援などを通じ、県内企業の健康経営の実践を後押ししていきます。
健康経営の取り組みを始めたい企業の皆さまへ
「健康経営に取り組みたいけれど、何から始めればいいかわからない」「自社に合った取り組みを進めたい」という企業の皆さまに向けて、アイセックでは健康経営の推進を支援しています。
自社の現状や課題の整理から、健康経営の戦略づくり、具体的な取り組みの実践まで、詳しくはこちらをご覧ください。


